電波2

「タイムオーバーだよ、さすがにこれ以上は諜報部の連中が黙っていないんでね」
おやおや、奴さんらももうちょいゆっくりしてくれればいいのにねぇ
「…で、なにか判ったかい?」
お?興味がおありで?
「無ければ君を泳がせたりはしないよ……アイツとは60年近い付き合いではあるがお互い自分のことはあまり話さないんでね」
それはそれは、とはいえ彼女自身についてはそれほど目新しい情報はありませんがね
ただ彼女の血の起源については少々面白い情報を仕入れましてね
彼女の血はワラキア公或いは串刺し公と呼ばれる男を始祖とする古代種のソレである、と
たしかに彼女の八重歯はなかなかチャーミングでしたがね
「……見たのか?」
ええ、前の検診の時にちらっと、ね
「ほう……どうだった?」
相変わらず小さかtt
「……」
い、いや、これといって変化は無し……なにか懸念でも?
「例の一件以来少々様子が……な」
長年の付き合いだからこそ判る変化というやつですかな
「…杞憂であればいいんだがな」